金曜日, 3月 09, 2012

KVMの管理 第5回
(仮想ディスクの管理)

[概要]
仮想化環境の管理ユーティリティvirt-managerで個々の仮想マシンでの仮想ディスクの管理について説明しています。

[詳細]
前回、に引き続き、仮想マシンの管理について説明します。今回は仮想ドライブの管理について触れます。詳細画面にて、各仮想ディスクを選択すると、その仮想ディスクの情報が表示されます。仮想ディスクには、「仮想ハードディスク」、「仮想CDROMドライブ」、「仮想フロッピードライブ」があり、設定できる項目がそれぞれ若干異なります。 それでは、項目ごとに説明していきます。

  1. ターゲットデバイス(変更不可)
    選択しているデバイス名が表示されます。仮想マシンからはこちらが認識されます。
  2. ソースパス(変更不可)
    仮称ディスクのパスが表示しされます。
  3. 接続/切断ボタン(CDROM, フロッピーのみ) 接続されているCDROM, フロッピーのイメージもしくは物理ドライブの接続/切断を行います。接続の場合は、ダイアログボックスが表示されるので、既存のイメージを選択するか、物理ドライブをマップします。
  4. ストレージサイズ(変更不可)
    仮想ディスクの論理サイズが表示されます。
  5. 読み込み専用
    仮想ディスクを読み込み専用に設定します。CDROMの場合は、デフォルトでチェックされ変更できません。
  6. 共有可能
    通常、仮想ディスクは1台の仮想マシンからのみマウント出来るよう排他制御がかかります。クラスタシステムなどで複数の仮想マシンから同じ仮想ディスクへアクセスすることが必要な場合は、ここをチェックすることにより同時にアクセス出来るようになります。
  7. 詳細オプション
    1. ディスクパス 仮想ディスクを接続するパス規格を選択します。



      選択可能なドライブ。
      IDEHDD, CDROM
      SCSIHDD, CDROM
      USBHDD
      virtioHDD
      Guest OSで使用するためには、GuestOS側にvirtio用のドライバが必要です。
      floppyフロッピー・ディスク

    2. シリアル番号
      仮想ディスクに、シリアル番号を付加します。設定は任意です。

    3. Storage format
      仮想ディスクのフォーマットを選択します。接続する仮想ディスクのフォーマットに合わせて選択してください。
      raw特定の形式フォーマットされていません。デフォルトで作成されるフォーマットです。
      qcow2QEMUのプロジェクトで開発している仮想ディスクフォーマット
      vmdkVMwareの仮想ディスクフォーマット



  8. パフォーマンスオプション
    1. キャッシュモデル
      defaultサーバのデフォルトに設定します。
      noneキャッシュを使いません。
      writeback読み込み、書き込みの双方でキャッシュを使用します。
      writethrough読み込みのみキャッシュを使用します。
    2. IOモード
      defaultサーバのデフォルトに設定します。
      nativeLinuxネイティブの非同期I/Oを使用します。
      threadsPOSIX pthreadによる非同期I/Oを使用します。

上で、仮想ディスクについての説明はおしまいです。次回は仮想NICの管理について説明を行います。

月曜日, 3月 05, 2012

NICのデバイス名を固定

[概要]
NICのデバイス名を固定します。
[詳細]
Linuxでは、ブートのタイミングや増設カードの追加によって、NICがKernelから認識される順序が変ってしまうことがあります。udevを使い、これを固定化する方法を説明します。

設定方法:
"/etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules"ファイルに、デバイス名を固定するNICを下記の要領で列記します。記載後、OSをリブートすると設定が反映されます。
KERNEL="eth*", SYSFS{address}=="マックアドレス", NAME="デバイス名"

設定サンプル:
root@ubuntu:~# vi /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
KERNEL=="eth*", SYSFS{address}=="52:54:00:cc:52:d1", NAME="eth0"
KERNEL=="eth*", SYSFS{address}=="52:54:00:30:61:72", NAME="eth1"
動作確認:
root@ubuntu:~# ifconfig
eth0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 52:54:00:cc:52:d1
inetアドレス:192.168.122.211 ブロードキャスト:192.168.122.255 マスク:255.255.255.0
inet6アドレス: fe80::5054:ff:fecc:52d1/64 範囲:リンク
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:1271 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:949 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:122090 (122.0 KB) TXバイト:130943 (130.9 KB)

eth1 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 52:54:00:30:61:72
UP BROADCAST RUNNING SLAVE MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
RXパケット:89 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
TXパケット:1596 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
RXバイト:10831 (10.8 KB) TXバイト:110510 (110.5 KB)
割り込み:10 ベースアドレス:0xa000
以上で、NICのデバイス名の固定方法の説明を終わります。