土曜日, 9月 10, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第6回 サーバプールの作成)

[概要]
サーバ・プールを追加する方法を説明します。

[詳細]
前回はストレージ・リポジトリの設定について説明しました。今回は、サーバ・プールの作成について説明を行います。
サーバ・プールとは、OVMを構成するリソース管理する単位(グループ)です。OVMを構成するリソースには、OVM サーバ、仮想マシン、仮想ネットワーク、ストレージ、電源管理ポリシーなどが含まれます。
それでは、サーバ・プール作成の説明に移ります。
  1. ウィザードの起動
    ハードウェアのタブを表示し、リソース(Resources)を選択します。メニュー"Actions"かツールバーにあるにある"Create Server Pool"を選択します。

  2. 必要事項の記入
    サーバプールの名前や仮想IPアドレスなど、サーバープールに必要な項目を記入します。記入が終わったら"OK"を押してサーバプールを作成します。
    • Server Pool Name
      任意のサーバプール名を指定します。重複しなければ好きな名前をつけることができます。
    • Description
      サーバプールの説明を記入します。この項目はオプションです。
    • Keypamp
      サーバプールに所属する仮想マシンのデフォルトのキーマップを設定します。
    • Secure VM Magrate
      Live Maigrationするを行う際の通信を暗号化します。
    • Activate Cluster
      サーバプールにあるOracle VMサーバを、クラスター化する場合にチェックします。今回はチェックしません。
  3. サーバプールが作成されると、下のように"Resources"と"Server Pools"に表示されます。
  4. OVMサーバの登録ウィザードの起動
    作成されたサーバプールにOVMサーバを登録するためにウィザードを起動します。

  5. サーバの選択
    "Available Servers"からサーバプール登録するサーバを選択し、"Selected Servers"へ移動します。

    OVMサーバが登録されると下のようにリストされます。
以上でサーバプールの作成は終了です。
次に仮想NICの管理について説明したいと思います。

金曜日, 9月 09, 2011

ubuntuでkvmを使う

[概要]
ubuntuでkvmを使うためのOSインストールについて説明しています。
CentOS6, RHEL6の方はこちらを、CentOS5.4以降の方はこちらを、RHEL5.4以降の方はこちらを、それぞれご覧下さい。
[詳細]
KVMはLinux kernelに2.6.20より標準で実装されている仮想化環境で、カーネルのモジュールとして動作します。
また、KVMはハイパーバイザとしてのみ働き、自身ではPCのエミュレートの機能は持っておらず、QEMUというエミュレータがKVMとの間のやり取りを行って、仮想環境を提供しています。なお、KVMの使用するためには、Intel-VTかAMD-Vといった仮想化技術を実装したCPUと対応したマザーボードが必要です。対応していない場合にはqemuが完全仮想化によってエミュレーションを行いため、非常に低速になります。

それでは、KVMインストールについて説明して行きたいと思います。
[デスクトップ編]
デスクトップの媒体を使用してインストールした時のkvmのインストール方法です。
  1. OSのインストール
    ubuntuでは、インストール時にkvmを意識した設定はありません。
  2. パッケージの追加
    "kvm"と"virt-manager"のパッケージを追加します。
    x
    root@ubuntu-sv-01:~# apt-get install kvm virt-manager
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています
    状態情報を読み取っています... 完了
    以下の特別パッケージがインストールされます:
    <略>
[サーバ編]
サーバの媒体を使用してインストールした時のkvmのインストール方法です。
  1. OSのインストール
    「ソフトウェアの選択」にて"Virtual Machine host"にチェックします。他にはリモートからのメンテナンスを考えると"OpenSSH server"もチェックしておきましょう。

  2. パッケージの追加
    ホストの上で、管理する場合には、"virt-manager"のパッケージを追加します。
    root@ubuntu-sv-01:~# apt-get install virt-manager
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています
    状態情報を読み取っています... 完了
    以下の特別パッケージがインストールされます:
    <略>

これでKVMを使用する準備が整いました。こちら参照して、仮想マシンの作成からOSのインストールまでを行ってください。

木曜日, 9月 08, 2011

CentOS6, RHEL6でkvmを使う

[概要]
CentOS 6, RHEL6でkvmを使うためのOSインストールについて説明しています。
ubuntuの方はこちらをご覧ください。CentOS5.4以降の方はこちらを、RHEL5.4以降の方はこちらを、それぞれご覧下さい。

[詳細]
CentOS 6, RHEL6 から仮想化環境にXen替わってKVM (Kernel-based Virtual Machine)が採用されました。
KVMはLinux kernelに2.6.20より標準で実装されている仮想化環境で、カーネルのモジュールとして動作します。
また、KVMはハイパーバイザとしてのみ働き、自身ではPCのエミュレートの機能は持っておらず、QEMUというエミュレータがKVMとの間のやり取りを行って、仮想環境を提供しています。なお、KVMの使用するためにはは、Intel-VTかAMD-Vといった仮想化技術を実装したCPUと対応したマザーボードが必要です。 対応していない場合にはqemuが完全仮想化によってエミュレーションを行いため、非常に低速になります。


それでは、今回は、KVMインストールについて説明して行きたいと思います。
  1. OSのインストール
    KVMのインストールは、通常のOSのインストールの中で、仮想化のパッケージ・グループを選択することで行います。
    なお、OSインストールについては、KVMに関するポイントの部分を中心に説明します。
    1. インストール・ソフトウェアの選択
      下のソフトウエアの選択画面にて、CentOS 6では"Virtual Host"を、RHEL6チェックでは"仮想化ホストをチェックし、ソフトウェア選択のカスタマイズを"今すぐカスタマイズ"を選択します。


      CentOS6


      RHEL 6

      次の画面では、左側のカテゴリで"仮想化"を選択すると、右側のパッケージグループに"仮想化"、"仮想化クライアント"、"仮想化プラットフォーム"が選択されていることを確認します。

    2. デスクトップ環境のインストール
      "Virtual Host"では、GNOME,X Windowがインストールパッケージとして選択されません。
      カテゴリで"デスクトップ"を選択し、"X Window System"と"デスクトップ"のパッケージ・グループをチェックします。もちろん、デスクトップを使用しないサーバとして使用する場合にはこれらのパッケージ・グループをインストール必要はありません。

    その後は、通常通りインストールを進め、完了後、再起動を行ってください。
  2. 動作確認
    KVM用カーネル・モジュールがロードされていることを確認します。

    [root@vm-host03 ~]# lsmod | grep kvm
    kvm_intel 85992 0
    kvm 222368 2 ksm,kvm_intel

    AMDのCPUでは、"kvm_intel"のかわりに"kvm_amd"がロードされます。

これでKVMを使用する準備が整いました。こちら参照して、仮想マシンの作成からOSのインストールまでを行ってください。

[付録]
インストールをテキストで行った場合や、kvmの環境を後からインストールする場合には、"仮想化"、"仮想化クライアント"、"仮想化プラットフォーム"のパッケージ・グループを追加します。

# yum groupinstall 仮想化 仮想化クライアント 仮想化プラットフォーム
英語でパッケージ・グループを指定するならば、
# yum groupinstall 'Virtualization' 'Virtualization Client' 'Virtualization Platform'

火曜日, 9月 06, 2011

qemu, kvmでブリッジ接続 (ubuntu, Debian編)

[概要]
ubuntu, Debianにおいてネットワーク・ブリッジの作成を方法を説明しています。
[詳細]
KVMやqemuではlibvirtによるNAT接続の仮想ネットワークが作成されますが、仮想マシンをホストと同じネットワークに接続する場合にはブリッジを作成しなければなりません。
以前、RHELやCentOSでのブリッジの作成保法について説明しました。今回はubuntuやDebianで、ブリッジを作成する方法について説明します。
  1. bridge-utilsのインストール
    ブリッジの作成には"bridge-utils"パッケージが必要です。ただ、kvm (qemu-kvm)やlibvirt-binと依存関係があるので、これらと同時にインストールされますので、特に意識する必要はありません。
  2. NetworkManagerのアンインストール
    ブリッジの設定は、ネットワークの設定ファイルを直接編集する必要がありますが、NetworkManagerがあると設定ファイルを上書きしてしまうことがあるので削除します。

    root@ubuntu11-04:~# apt-get remove network-manager
    パッケージリストを読み込んでいます... 完了
    依存関係ツリーを作成しています
    状態情報を読み取っています... 完了
    以下のパッケージは「削除」されます:
    network-manager network-manager-gnome
    アップグレード: 0 個、新規インストール: 0 個、削除: 2 個、保留: 0 個。
    この操作後に 3,752 kB のディスク容量が解放されます。
    続行しますか [Y/n]? Y
  3. 設定ファイルの編集
    ubuntu, Debianでは、ネットワークの設定は、"/etc/network/interfaces"で行います。
    サンプル:
    • DHCPの場合
      auto lo
      iface lo inet loopback
      auto eth0
      iface eth0 inet manual
      auto br0
      iface br0 inet dhcp
      bridge_ports eth0
      bridge_maxwait 0
      bridge_fd 0
      bridge_stp off
    • 静的なIPアドレスの場合
      auto lo
      iface lo inet loopback
      auto eth0
      iface eth0 inet manual
      auto br0
      iface br0 inet static
      address 192.168.1.211
      network 192.168.1.0
      netmask 255.255.255.0
      broadcast 192.168.1.255
      gateway 192.168.1.1
      bridge_ports eth0
      bridge_stp off
      bridge_fd 0
      bridge_maxwait 0
  4. ネットワークの再起動
    ネットワークの再起動を行います。
    root@ubuntu11-04:~# sudo /etc/init.d/networking restart
    * Running /etc/init.d/networking restart is deprecated because it may not enable again some interfaces
    * Reconfiguring network interfaces... [ OK ]
  5. 動作確認
    ifconfigコマンドで正しく動作指定ことを確認します。
    ubuntu11-04:~# ifconfig
    br0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 52:54:00:f9:67:b4
    inetアドレス:192.168.122.112 ブロードキャスト:192.168.122.255 マスク:255.255.255.0
    inet6アドレス: fe80::5054:ff:fef9:67b4/64 範囲:リンク
    UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
    RXパケット:15 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
    TXパケット:46 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
    衝突(Collisions):0 TXキュー長:0
    RXバイト:1681 (1.6 KB) TXバイト:8963 (8.9 KB)

    eth0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 52:54:00:f9:67:b4
    inet6アドレス: fe80::5054:ff:fef9:67b4/64 範囲:リンク
    UP BROADCAST RUNNING PROMISC MULTICAST MTU:1500 メトリック:1
    RXパケット:1111 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0
    TXパケット:270 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0
    衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000
    RXバイト:71830 (71.8 KB) TXバイト:45452 (45.4 KB)
以上でブリッジの作成は終了です。

月曜日, 9月 05, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第4回 NFSサーバの登録)

[概要]
セットアップしたOVM ManagerにNFSサーバを追加する方法を説明します。

[詳細]
前回はOVM ManagerへOVM サーバを登録しました。OVMには仮想マシンのイメージ、テンプレート、ISOイメージを格納するストレージが必要です。入門編ではNFSストレージを追加します。
LinuxでNFSサーバを準備する場合は、こちらを参照してください。

[NFSサーバの登録]
  1. ビューを"Home"から"Hardware"に変更し、"Storage"(ストレージ)のタブを選択します。
  2. メニューの"Action"もしくはツールバーから"Register Storage Array"(図の赤く囲んだ部分)を選択します。

  3. NFSサーバの情報を設定します。
    * の部分は、必ず設定しなければなりません。

    1. Name :
      ファイルサーバ名を設定します。ここはホスト名でなく任意でかつ一意の名前をつけることができます。(必須)
    2. Storage Plug-in :
      ファイルサーバに接続するためのPlug-inを指定するのですが、NFSでは"Oracle Generic Network File System"を選択します。(必須)
    3. Access Host :
      登録するファイルサーバのIPアドレスもしくはホスト名を指定します。(必須)
    4. Description :
      ファイルサーバの説明を記載します。(任意)
    値を設定し終わったら、「次へ」を押して進みます。
  4. ファイルサーバを管理するOVM サーバを登録します。"Available Servers"から選択し"Selected Servers"へ移し、すべて移し終えたら"OK"を押します。

  5. ファイルサーバの登録が完了すると、ファイルサーバとシェアされているファイルシステムが表示されます。

[ファイルシステムのリフレッシュ]
登録されたファイルシステムを使用するためには、一度リフレッシュを行って情報をOVM Managerへ反映させる必要があります。
  1. リフレッシュするファイルシステムを選択し、メニューのActionもしくはツールバーから"Refresh File System"(図の赤く囲んだ部分)を選択します。

  2. リフレッシュを実施するOVMサーバを選択します。なお、リフレッシュは1台のOVMサーバから実施すれば十分です。

以上でNFSサーバの登録は完了です。NFS以外の共有ストレージについては"管理編"で詳しく説明します。次回は仮想ネットワークと仮想NICの登録を行います。

日曜日, 9月 04, 2011

Oracle VM 3.0入門
(第3回 Oracle VM Serverの登録)

[概要]
前回セットアップしたOVM ManagerにOVM サーバを追加します。

[詳細]
前回はOVM Managerのインストールについて説明しました。次のステップとして、OVM ManagerにOVM サーバを登録します。

[OVM Managerへのログイン]
まず、OVM Manager Webコンソールに接続し、OVM Managerにログインします。
ユーザ名は"admin"。パスワードは、OVM サーバインストール時に設定したものを使用します。



[OVM サーバの登録]
OVM ManagerからOVMサーバを管理するために登録します。
  1. ビューを"Home"から"Hardware"に変更します。

  2. "Discover Servers"をウィザードを起動します。

  3. ネットワーク上のOVMサーバを検索します。



    1. Specify an IP Address (or range)に、検索するIPアドレスもしくはドレスの範囲を指定します。
      "Add"ボタンを押すと、IP AddressesにIPアドレスが転記されます。
    2. Oracle VM Agent PortはOVM サーバとマネージャが通信するポート番号です。デフォルトで8899が指定されていますのでそのまま使用します。
    3. Oracle VM Agent Passwordには、OVM サーバをインストールする際に指定したパスワードを入力します。
    4. OKを押して、サーバの検索を開始します。
  4. 検索が終了するとOVSサーバが"Unassigned Servers"に登録されます。

  5. ネットワーク設定ウィザードの起動
    次にネットワークの設定を行います。"Resources"を選択し、"Netowrks"タブを表示します。
    すると、OVM Serverの登録に使ったネットワーク・アドレス(下の例では192.168.1.0)が、"Storage", "Virtual Machine"以外にチェックがついた状態で表示されていることと思います。そのネットワークを選択し、"Edit Selected Network"のを押しを起動します。

  6. ネットワーク設定 "Edit Network"ウィザードでは、"Network Use"にあるチェック・ボックスを、すべにチェックして、"次へ"を押して進みます。もちろん、ネットワーク・アドレスになっている"Name"を分かりやすい名前に変更してもかまいません。 それ以降の"Select Servers", "Select Ports", "Select VLAN Segment"では、何も変更せずに"次へ"で進みます。最後の"Configure IP Addressesも何も変更せずに"Finish"を押して設定を反映させます。
    "Storage", "Virtual Machine"にチェックがあれば、変更が正しく反映されています。
以上でOVM ServerをOVM Managerへ登録する方法についての説明を終わります。
次回はNFSサーバの登録について説明します。