金曜日, 6月 19, 2009

VMware ESXi 4基礎 (第2回、プロパティ その1)

[概要]
ESXi 4におけるバーチャルマシンのプロパティについて解説します。

[詳細]
バーチャルマシンの仮想ハードウェアのプロパティの解説を行います。
  1. メモリ
    ゲストOSが認識するメモリ容量を指定します。
    デフォルトゲストOS依存
    OS起動中変更不可(ESXではゲストOSに依存)

  2. CPU
    バーチャルマシンのCPUの数を設定します。
    デフォルト1
    OS起動中変更不可(ESXではゲストOSに依存)

  3. ビデオカード
    バーチャルマシンで使用可能なモニタ数を指定します。最大数はゲストOSによって異なります。
    • 最大モニタ
      ビデオ表示に使用するグラフィック・メモリの容量を指定します。
      デフォルト1
      OS起動中変更不可

    • 表示に必要なメモリ

      デフォルト全ビデオRAMを入力 4MB
      OS起動中変更不可

      • ビデオ設定を自動検出
        ビデオの設定を自動検出しメモリを割り当てます。
      • 以下の選択に合わせてメモリを確保
        選択した解像度、色数に合わせてメモリを確保します。
      • 全ビデオRAMを入力
        指定した容量のビデオメモリを確保します。

    • 3Dサポートを有効化
      3Dグラフィックハードウェアアクセレーションのサポートの無効化/有効化を決定します。


      デフォルト無効
      OS起動中変更不可

  4. VMCIデバイス
    ホスト内の通信にVMwareが提供する専用通信インタフェース使用に制限を行うか否かを決定します。


    デフォルト制限
    OS起動中変更不可

  5. フロッピードライブ
    • デバイスのステータス
      • 接続済み
        マップされたディスクイメージの接続/切離しの実行します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能 (起動中のみ可能)

      • パワーオン時に接続
        バーチャルマシン起動時のデバイスの自動接続するか否かを指定します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能



    • デバイスタイプ
      仮想ドライブが使用するデバイスのタイプを選択します。


      デフォルトデバイスの作成時の設定に依存
      OS起動中変更不可

      • クライアント デバイス
        vSphere Clientの動作しているコンピュータのドライブを使用します。
      • ホスト デバイス
        ESXiホストに接続されているドライブを使用します。
      • データストアの既存のフロッピーイメージの使用
        データストアに格納されているフロッピーディスクイメージを使用します。
      • データストアへの新規フロッピーイメージの作成
        新たにフロッピーディスクイメージを、データストアに作成します。


  6. CD/DVDドライブ
    • デバイスのステータス
      • 接続済み
        マップされたディスクイメージの接続/切離しの実行します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能 (起動中のみ可能)

      • パワーオン時に接続
        バーチャルマシン起動時のデバイスの自動接続するか否かを指定します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能



    • デバイスタイプ
      仮想ドライブが使用するデバイスのタイプを選択します。


      デフォルトデバイスの作成時の設定に依存
      OS起動中変更可能

      • クライアント デバイス
        vSphere Clientの動作しているコンピュータのドライブを使用します。
      • ホスト デバイス
        ESXiホストに接続されているドライブを使用します。
      • データストア ISO ファイル
        データストアに格納されているISOイメージを指定します。


    • モード
      CD/DVDデバイスのアクセス・モードを選択します。クライアントデバイスを選択した時のみに有効です。


      デフォルトバーチャルマシン作成時の設定に依存
      OS起動中変更可能


    • 仮想デバイスノード
      仮想ドライブが使用するIDEノードを選択します。


      デフォルトIDE(1:0)
      OS起動中変更不可


  7. ネットワークアダプタ (イーサーネットアダプタ)
    • デバイスのステータス
      • 接続済み
        マップされた仮想ネットワークアダプタの接続/切離しの実行します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能 (起動中のみ可能)

      • パワーオン時に接続
        バーチャルマシン起動時のデバイスの自動接続するか否かを指定します。


        デフォルトデバイスの作成時の設定に依存
        OS起動中変更可能



    • MACアドレス
      仮想デバイスのMACアドレスを指定します。


      デフォルト自動
      OS起動中変更不可


    • ネットワーク接続
      仮想デバイスが接続するネットワークを指定します。


      デフォルトESXiインストール時に作成されるネットワーク
      OS起動中変更可能



  8. ハードディスク
    • ディスクプロビジョニング
      仮想ディスクのサイズ変更を行います。IDEデバイスはOS停止中であっても変更できません。サイズの変更が即時反映されるか否かは、ゲストOSに依存します。


      デフォルト仮想ディスク作成時のサイズ
      OS起動中変更SCSIデバイスのみ追加が可能


    • 仮想デバイスノード
      仮想ディスクが使用するデバイスノード番号を指定します。


      デフォルト仮想ディスク作成時の設定
      OS起動中変更不可


    • モード
      独立を選択することにより、そのディスクがスナップショットの影響を受けなくします。


      デフォルト非独立
      OS起動中変更不可



  9. SCSIコントローラ
    • SCSIコントローラタイプ
      SCSIコントローラのタイプを選択します。"非推奨"となっているコントローラは、使用しないでください。


      デフォルトゲストOSに依存
      OS起動中変更不可

      • Buslogic パラレル
      • LSI Logic パラレル
      • LSI Logic SAS
      • VMware 準仮想化

      ※VMware 準仮想化コントローラ


    • SCSIバスの共有
      SCSIバスに接続されているデバイスを複数マシンから共有する方法を選択します。


      デフォルトなし
      OS起動中変更不可



  10. シリアルポート
    • デバイスのステータス
      • 接続済み
        マップされたシリアルデバイスの接続/切離しの実行を実行します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能 (起動中のみ可能)

      • パワーオン時に接続
        バーチャルマシン起動時のデバイスの自動接続するか否かを指定します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能



    • 接続
      • 物理シリアルポートを使用
        ESXiホストのシリアルポートを使用します。
      • 出力ファイルを使用
        データストアにファイルを作成し、そのファイルをシリアルポートとして使用します。
      • 名前つきパイプを使用
        名前つきパイプをシリアルポートとして、クライアントとバーチャルマシン間で通信を行います。


    • 入出力モード
      シリアルポートへのアクセス方法を選択します。


      デフォルトポーリング時にCPUを放棄
      OS起動中変更可能



  11. パラレルポート
    • デバイスのステータス
      • 接続済み
        マップされたパラレルデバイスの接続/切離しの実行します。


        説明マップされたディスクイメージの接続/切離しの実行
        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能 (起動中のみ可能)

      • パワーオン時に接続
        バーチャルマシン起動時のデバイスの自動接続するか否かを指定します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更可能



    • 接続
      • 物理パラレルポートを使用
        ESXiホストのパラレルポートを使用します。
      • 出力ファイルを使用
        データストアにファイルを作成し、そのファイルをパラレルポートとして使用します。



  12. SCSIデバイス
    • デバイスのステータス
      • 接続済み
        マップされたSCSIデバイスの接続/切離しの実行します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更不可

      • パワーオン時に接続
        バーチャルマシン起動時のデバイスの自動接続するか否かを指定します。


        デフォルト未接続
        OS起動中変更不可



    • 接続
      ESXiホストに接続されているパススルー可能な物理SCSIデバイスを指定します。


      デフォルト接続されているデバイスによる
      OS起動中変更不可


    • 仮想デバイスノード
      仮想デバイスのSCSIノードを設定します。


      デフォルト未使用のSCSIデバイスノードによる
      OS起動中変更不可



  13. USBコントローラ
    ESXiホストに接続されているUSBコントローラをパススルーします。設定できるプロパティはありません。



次にデバイスの追加/削除について説明します。
  1. フロッピードライブ
    可能(最大2)
    OS起動中追加不可(ESXでは可)
    OS起動中削除可能
    複数追加
  2. CD/DVDドライブ
    OS起動中追加不可(ESXでは可)
    OS起動中削除可能
    複数追加可能(最大4)
  3. ネットワークアダプタ (イーサーネットアダプタ)
    OS起動中追加不可(ESXでは可)
    OS起動中削除可能
    複数追加可能
  4. ハードディスク
    OS起動中追加不可(ESXでは可)
    OS起動中削除可能
    複数追加可能(IDE:最大4, SCSI:最大64)
  5. シリアルポート
    OS起動中追加不可
    OS起動中削除不可
    複数追加可能
  6. パラレルポート
    OS起動中追加不可
    OS起動中削除不可
    複数追加可能
  7. USBコントローラ
    OS起動中追加不可(ESXでは可)
    OS起動中削除可能
    複数追加不可
  8. SCSIデバイス
    OS起動中追加不可
    OS起動中削除可能
    複数追加可能

次回はオプション・タブにあるプロパティについて説明します。

火曜日, 6月 16, 2009

VMware ESXi 4基礎 (第1回、バーチャルマシン作成、カスタム編)

[概要]
VMware vSphere Clinetのカスタム・モードを使用したバーチャルマシンの作成を説明しています。

[詳細]
ESX 4では、メモリ、CPU、ネットワークの設定がvSphere Clinetのウィザードの標準モードから削除されました。
そのため、多くの場合、バーチャルマシンの作成後、メモリなどの設定を改めてプロパティを修正しなければなりません。
カスタム・モードを使用して、バーチャルマシンを作成した方が、後の設定作業が少なくなります。

  1. ウィザードの起動
    "はじめに"のタブにある"新規仮想マシンの作成"をクリックします。

  2. ウィザードのタイプの選択
    構成のタイプを、"標準"と"カスタム"から選択します。
    今回は標準で説明を行いますので、"カスタム"を選択してください。
  3. バーチャルマシン名の入力
    バーチャルマシン名を入力します。バーチャルマシン名は、OSのホスト名と一致させる必要はありませんが、ESXiホスト上で一意の必要があります。また、vCenter Serverで仮想マシンを管理している場合は、その仮想マシンフォルダ内で一意である必要があります。
  4. インストール先の指定
    バーチャルマシンをインストールするデータストアを選択します。

  5. バーチャルマシンのバージョンの選択
    バーチャルマシンのバージョンを"4"と"7"から選択します。バージョン4はESXi 3.5, VMawre Server1.0との上位互換を持たせる場合に選択します。それ以外の場合はバージョン7を選択してください。
  6. ゲストOSの選択
    インストールするOSの種別をラジオボックスから"Microsoft Windows", "Linux", "Novell NetWare", "Solaris", "Other"から選択し、リストボックスから該当するOSのバージョンを選びます。

  7. CPU数の指定
    バーチャルマシンのCPUの数を選択します。
  8. メモリ容量の指定
    バーチャルマシンから認識されるメモリ容量を指定します。



  9. 仮想ネットワークの設定
    バーチャルマシンに必要な仮想ネットワークの数と、使用する仮想ネットワークを指定します。
    デフォルトでは管理ネットワークと同一のネットワーク上に1つのネットワークカードが作成されます。
    仮想ネットワークの作成方法については、別の回に改めて説明します。


  10. SCSIコントローラの選択

    デフォルトで選択されているコントローラを使用すれば動作します。また、"このゲストOSには非推奨"となっているもは、選択しないでください。



  11. ディスクの選択
    以下の4つの中からバーチャルマシンで使用するディスクを選択します。
    • 新規仮想ディスクの作成
      新しい仮想ディスクの作成し、バーチャルマシンに割り当てます。
    • 既存仮想ディスクを使用
      既に作成済みの仮想ディスクをバーチャルマシンに割り当てます。
    • rawデバイスのマッピング
      SAN環境にてSANに接続されたディスクを仮想ディスクとしてマッピングします。
    • ディスクを作成しない
      このバーチャルマシンのために仮想ディスクを作成しません。ディスクレスのOS使用する場合や、バーチャルマシンの構成の変更で後から作成する場合に選択します。


  12. バーチャルディスクの作成
    "ディスクの選択"で"新規仮想ディスクの作成"を指定したときのみに発生します。
    ディスクのサイズを指定して、1台目の仮想ディスクを作成します。



    • 容量
      仮想ディスクの大きさを指定します。
    • ディスクプロビジョニング
      • シンプロビジョニング
        バーチャルディスクの作成時には、指定したサイズを確保せずにバーチャルマシンの使用時に容量が足りなくなった時に拡張します。バーチャルマシンのOSからは指定したサイズとして認識されます。
      • クラスタリング機能のサポート
        バーチャルマシンをクラスタで多重化する高可用性機能を使用するときにチェックします。
    • 場所
      • 仮想マシンで保存
        バーチャルマシンと同じディレクトリに仮想ディスクを作成します。
      • データストアの指定
        仮想ディスクの作成先に任意のデータストアを指定します。

    なお、ディスクの追加については別の回で説明します。
  13. 既存のディスクの選択
    "ディスクの選択"で"既存仮想ディスクを使用"を指定したときのみに発生します。
    使用する仮想ディスクのパスを指定してください。
  14. 詳細オプション
    仮想ディスクのデバイスの種類、モードを設定します。
    • 仮想デバイスノード
      作成する仮想ディスクのデバイスの種類(SCSI, IDE)および、ノードのID番号を選択します。
      IDEの仮想ディスクはESXi4でサポートされました。Windows2000, WindowsXPでIDEを選択することにより、インストール時にSCSIドライバを追加する必要がなくなります。
    • モード
      ディスクのモードを選択します。独立型を選択すると、スナップショット作成時に、そのディスクのスナップが作成されません。

  15. 構成確認
    作成するバーチャルマシンの構成を確認します。
    なお、バーチャルマシンの作成前に、詳細な設定を行う場合には、"完了前に仮想マシンの設定を編集"を選択してください。



    "終了"を押すと、バーチャルマシンの作成が行われ、左側のペインにバーチャルマシンが表示されます。


次回はバーチャルマシンのプロパティについて説明します。