金曜日, 12月 18, 2009

Oracle VM 基礎 (第2回、サーバの追加)

[概要]
Oracle VMのサーバ・プールへサーバを追加する方法を説明します。
OVM 2.xについて説明しています。OVM 3.xについては、こちらをご覧ください。

[詳細]
Oracle VMでは、サーバ間のVMイメージなどの共有に、NFS, ocfs2が使用可能です。
今回はデフォルトで共有ファイルシステムとして設定されるocfs2を使った場合のサーバの追加方法について説明します。

[初期ノードの設定]

  1. 仮想マシンの停止
    動作している仮想マシンがある場合には、すべて停止します。
  2. /etc/hostsの変更
    "/etc/hosts"にある自ホスト名のIPアドレスをループバック(127.0.0.1)から実際のIPアドレスへ変更します。
    なお、今回の説明では、初期ノードをvm-host03、追加ノードをvm-host02としています。

    127.0.0.1 vm-host03 localhost local.doamin
    127.0.0.1 localhost local.doamin
    192.168.3.153 vm-host03

  3. ocfs2ファイルシステムをクラスタ・モードへ変更
    /OVSをアンマウントし、ファイルシステムをクラスタ・モードに変更します。

    [root@vm-host03 ~]# /etc/init.d/ocfs2 stop
    Stopping Oracle Cluster File System (OCFS2) [ OK ]
    [root@vm-host03 ~]# /etc/init.d/o2cb force-offline cluster
    Unloading module "ocfs2": OK
    [root@vm-host03 ~]# /etc/init.d/o2cb enable
    Writing O2CB configuration: OK
    Loading filesystem "configfs": OK
    Mounting configfs filesystem at /sys/kernel/config: OK
    Loading filesystem "ocfs2_dlmfs": OK
    Mounting ocfs2_dlmfs filesystem at /dlm: OK
    Starting O2CB cluster ocfs2: Failed
    o2cb_ctl: Cluster "ocfs2" does not exist
    Stopping O2CB cluster ocfs2: Failed
    o2cb_ctl: Cluster "ocfs2" does not exist

    [root@vm-host03 ~]# tunefs.ocfs2 -M cluster -N 最大ノード数 デバイス・ファイル

    イタリック体の部分を変更します。
    • -N 最大ノード数 : このファイルシステムの接続する最大のノード数を設定します。最大値:255。
    • デバイス・ファイル : 共有ディスクのデバイスを指定します。
    実行例:
    [root@vm-host03 ~]# tunefs.ocfs2 -M cluster -N 4 /dev/sdc1
  4. クラスタの作成
    クラスタを作成します。

    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n クラスタ名 -t cluster -i

    実行例:
    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n ocfs2 -t cluster -i
    Cluster ocfs2 created

    クラスタ名各ノードからクラスタを認識するための名前

  5. 初期ノードのクラスタへの登録
    初期ノードをクラスタに追加します。
    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n 初期ノード・ホスト名 -t node -i -a cluster=クラスタ名 -a number=0 -a ip_address=初期のノード・IPアドレス -a ip_port=ポート番号

    初期ノード・ホスト名初期ノードのホスト名を
    ノード番号初期ノードはnumber=0とします。
    ポート番号初期値は7777です。全ノードで同じポート番号を使用します。

    実行例:
    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n vm-host03 -t node -i -a cluster=ocfs2 -a number=0 -a ip_address=192.168.3.153 -a ip_port=7777

    Node vm-host03 created
  6. 追加ノードのクラスタへの登録
    クラスタを作成し、初期ノードと追加ノードをクラスタに追加します。
    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n 追加ノード・ホスト名 -t node -i -a cluster=クラスタ名 -a number=1 -a ip_address=追加ノード・IPアドレス -a ip_port=ポート番号。

    追加ノードは、number=1とします。同じポート番号は初期ノードと同じものを指定します。

    実行例:
    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n vm-host02 -t node -i -a cluster=ocfs2 -a number=1 -a ip_address=192.168.3.152 -a ip_port=7777
    Node vm-host02 created

  7. クラスタの設定
    クラスタの動作の設定を行います。クラスタ名以外の場所は、デフォルトで問題なく動作します。設定の詳細を知りたい場合にはOCFS2のマニュアルを参照してください。

    [root@vm-host03 ~]# /etc/init.d/o2cb configure
    Configuring the O2CB driver.

    This will configure the on-boot properties of the O2CB driver.
    The following questions will determine whether the driver is loaded on
    boot. The current values will be shown in brackets ('[]'). Hitting
    without typing an answer will keep that current value. Ctrl-C
    will abort.

    Load O2CB driver on boot (y/n) [y]:
    Cluster stack backing O2CB [o2cb]:
    Cluster to start on boot (Enter "none" to clear) [ocfs2]:クラスタ名
    Specify heartbeat dead threshold (>=7) [31]:
    Specify network idle timeout in ms (>=5000) [30000]:
    Specify network keepalive delay in ms (>=1000) [2000]:
    Specify network reconnect delay in ms (>=2000) [2000]:
    Writing O2CB configuration: OK
    Starting O2CB cluster ocfs2: OK

  8. リブート
    変更を反映させるためノードをリブートします。
  9. マウント状態の確認
    共有パーティションが、クラスタモードで動作しているかを確認します。
    共有バーティションが、下記のように"type ocfs2 (rw,_netdev,heartbeat=local)"となっていれば、クラスタモードで動作しています。
    [root@vm-host03 ~]# mount
    <略>
    /dev/sdc1 on /var/ovs/mount/A53BAF6548A344568D709BB62B2EC7B4 type ocfs2 (rw,_netdev,heartbeat=local)

    シングルモードの時には、下記のようになっています。
    [root@vm-host03 ~]# mount
    <略>
    /dev/sdc1 on /var/ovs/mount/A53BAF6548A344568D709BB62B2EC7B4 type ocfs2 (rw,heartbeat=none)
[追加ノードの設定]
  1. /etc/hostsの変更
    "/etc/hosts"にある自ホスト名のIPアドレスをループバック(127.0.0.1)から実際のIPアドレスへ変更します。
    127.0.0.1 vm-host02 localhost local.doamin
    127.0.0.1 localhost local.doamin
    192.168.3.152 vm-host02

  2. クラスタ設定ファイルのコピー
    初期ノードからクラスタ設定ファイル("/etc/ocfs2/cluster.conf")をコピーします。

    [root@vm-host03 ~]# rsync -av /etc/ocfs2 vm-host02:/etc
    root@vm-host02's password:
    building file list ... done
    ocfs2/
    ocfs2/cluster.conf

    sent 364 bytes received 48 bytes 274.67 bytes/sec
    total size is 240 speedup is 0.58

  3. クラスタの設定
    追加ノードでもクラスタの動作の設定を行います。ブート時にO2CBドライバをロードするように設定し、クラスタ名を環境に合わせて設定してください。
    その他の設定の詳細を知りたい場合にはOCFS2のマニュアルを参照してください。

    [root@vm-host02 ~]# /etc/init.d/o2cb configure
    Configuring the O2CB driver.

    This will configure the on-boot properties of the O2CB driver.
    The following questions will determine whether the driver is loaded on
    boot. The current values will be shown in brackets ('[]'). Hitting
    without typing an answer will keep that current value. Ctrl-C
    will abort.

    Load O2CB driver on boot (y/n) [n]: y
    Cluster stack backing O2CB [o2cb]:
    Cluster to start on boot (Enter "none" to clear) [ocfs2]:クラスタ名
    Specify heartbeat dead threshold (>=7) [31]:
    Specify network idle timeout in ms (>=5000) [30000]:
    Specify network keepalive delay in ms (>=1000) [2000]:
    Specify network reconnect delay in ms (>=2000) [2000]:
    Writing O2CB configuration: OK
    Loading filesystem "configfs": OK
    Mounting configfs filesystem at /sys/kernel/config: OK
    Loading filesystem "ocfs2_dlmfs": OK
    Creating directory '/dlm': OK
    Mounting ocfs2_dlmfs filesystem at /dlm: OK
    Starting O2CB cluster ocfs2: OK


  4. Oracle VM Managerでのサーバの追加
    1. OVM Managerにて、Serverのタブに移動し"Add Server"を押します。


    2. 追加サーバの必要情報を入力します。


      • Server Host/IP (必須)
      • Server Name (必須)
      • Server Type (必須)
        Utility Server,Virtual Machine Server
      • Server Pool Name (必須)
      • Location
      • Description
    3. "Test Connection"を押して接続テストを行い、エラーがなければ"Add"を押します。



    4. "OK"を押してサーバ(ノード)を追加します。
      しばらくしたら、"Refresh"を押し、ステータスがAddingからActiveに変わればノード追加完了です。

  5. 共有ディスクのマウントの確認
    OVM Managerにて、ノードを追加すると共有ディスクがマウントされるようになります。
    共有ディスクが正しくマウントされているかどうかを、mountコマンドで確認します。

    [root@vm-host02 ~]# mount
    <略>
    /dev/sdc1 on /var/ovs/mount/A53BAF6548A344568D709BB62B2EC7B4 type ocfs2 (rw,_netdev,heartbeat=local)

    初期ノードのときと同様に、"type ocfs2 (rw,_netdev,heartbeat=local)"となっていれば、クラスタモードで動作しています。
    また、"A53BAF6548A344568D709BB62B2EC7B4"部分は、ファイルシステムのUUIDです。初期ノードと同じであることを確認してください。
[3台目以降のサーバの追加]
  1. /etc/hostsの変更
    "/etc/hosts"にある自ホスト名のIPアドレスをループバック(127.0.0.1)から実際のIPアドレスへ変更します。
    なお、今回の説明では、初期ノードをvm-host03、追加ノードをvm-host02としています。

    127.0.0.1 vm-host03 localhost local.doamin
    127.0.0.1 localhost local.doamin
    192.168.3.154 vm-host04

  2. クラスタへのノードの追加
    既存ノードすべてで、下記のコマンドを用いて、クラスタにノードを追加します。
    [root@vm-host03 ~]# o2cb_ctl -C -n ホスト名 -t node -i -a cluster=クラスタ名 -a number=ノード番号 -a ip_address=IPアドレス -a ip_port=ポート番号

  3. クラスタ設定ファイルのコピー
    任意の既存ノードから、クラスタ設定ファイル("/etc/ocfs2/cluster.conf")を追加ノードへコピーします。

    [root@vm-host03 ~]# rsync -av /etc/ocfs2 vm-host02:/etc
    root@vm-host02's password:
    building file list ... done
    ocfs2/
    ocfs2/cluster.conf

    sent 364 bytes received 48 bytes 274.67 bytes/sec
    total size is 240 speedup is 0.58

    これ以降は追加ノードで行った作業の繰り返しです。こちらに戻って、手続きを続けてください。

以上で、OVMへのサーバの追加の説明は終了です。

火曜日, 12月 08, 2009

Oracle VM 基礎 (第1回、仮想マシンの管理)

[概要]
仮想マシンの設定変更について説明しています。
OVM 2.xについて説明しています。OVM 3.xについては、こちらをご覧ください。

[詳細]
今回から不連続になりますが、数回にわたってOVM Managerからの仮想マシンの管理について説明していきます。今回は、仮想マシンのプロパティの変更について説明します。

  1. 変更画面の表示
    変更を行う仮想マシンを選択して"Configure"を押すか、仮想マシン名クリックします。


  2. Genenal
    ここでは、仮想マシンの一般的な情報の変更を行います。



    • General Information
      一般的な情報が表示されます。ここは変更することが出来ません。

      • "Create by" : 仮想マシンの作成者
      • "Status" : 稼動状態
      • "Server Pool Name" : 所属 Server Pool
      • "Creation Time : 作成日
      • "Running TIme" : 稼働時間
      • "Size" : 仮想マシンの起動ディスクサイズ
    • Detail Information
      仮想マシンの詳細情報が表示されます。これらの項目は変更することが出来ます。
      • "Virtual Machine Name" :
        仮想マシン名。こちらを変更してもゲストOSのホスト名は変わりません。(必須)
      • "Group Name" :
        仮想マシンが所属するグループ。グループに所属するメンバーへ仮想マシンの管理権限を与えます。
        デフォルトのグループは"My workspace"で、仮想マシンの作成者と管理者以外は変更で出来ません。グループについては、Oracle VM 入門 (第4回、ユーザの管理)を参照してください。(必須)
      • "Max Memory Size" :
        仮想マシンの最大メモリ容量。(必須)
      • "Memory Size" :
        仮想マシンの起動時のメモリ容量。(必須)
      • "Description" :
        仮想マシンの説明。(任意)
      "Save"を押して、変更を反映させます。

  3. Network
    仮想ネットワーク・インタフェース(NIC)について変更を行います。



    • "Edit"
      選択した仮想NICの設定変更を行います。


      • Virtual Network Interface Name
        インタフェースの名前を設定します。
      • Virtual Network Interface MAC Address
        仮想インタフェースのMACアドレスが表示されます。(変更不可)
      • Bridge
        ブリッジするホストのNICを選択します。
      • Enable Rate Limit
        ネットワークの帯域制限を行うかどうかを選択します。
      • Rate Limit
        ネットワーク帯域の上限を設定します。("Enable Rate Limit"がチェックされている時は必須)
    • "Delete"
      選択した仮想NICの削除を行います。
    • "Add"
      新しい仮想NICを作成します。


      • Virtual Network Interface Name
        インタフェースの名前を設定します。
      • Bridge
        ブリッジするホストのNICを選択します。
      • Enable Rate Limit
        ネットワークの帯域制限を行うかどうかを選択します。
      • Rate Limit
        ネットワーク帯域の上限を設定します。("Enable Rate Limit"がチェックされている時は必須)
    • Network Type
      仮想ネットワークのタイプを、「完全仮想化」(Fully Virtualized)と「準仮想化」(Paravirtulized)から選択します。
  4. Storage
    仮想ディスクや仮想マシンのブートでデバイスの管理を行います。



    • "Virtual Disks"
      仮想ディスク追加、削除、変更を行います。

      • "Delete"
        仮想ディスクの削除を行います。
      • "Edit"
        仮想ディスクの設定の表示、変更を行います。



        • "Virtual Disk Name"
          仮想ディスク名を表示します。(変更不可)
        • "Virtual Disk Size"
          仮想ディスクサイズを表示します。(変更不可)
        • "Shared"
          共有仮想ディスクであるか否かを表示します。(変更不可)
        • "Hard Drive Type"
          仮想ディスクのデバイスの種類をAuto, IDE, SCSI,XVDから選択します。(XVDはPVMのときのみ)
          なお、ブート・ディスクに対して、変更を加えないでください。OSができなくなります。
        • "QoS Enabled"
          QoS(帯域制限)を行うかどうかを選択します。
        • Priority Class
          QoSがEnabledの時に、仮想ディスクのI/Oのプライオリティを0~7までの値で設定します。0が最優先、7が最低です。("QoS Enabled"の時は必須)
      • "Create New Virtual Disk"
        仮想ディスクの設定の表示、変更を行います。



        • "Virtual Disk Name"
          仮想ディスク名を指定します。(必須)
        • "Virtual Disk Size"
          作成する仮想ディスクサイズを表示します。(必須)
        • "Attach/Detach Shared Virtual Disk"
        • "Hard Drive Type"
          仮想ディスクのデバイスの種類を選択します。デフォルトAuto(必須)
          HVMとPVMの違いによって、追加できる仮想ディスクの数、種類が異なります。
          HVMの場合:
          • Auto, IDE, SCSIから選択します。
          • IDEディスクの最大数は、CDROMデバイスを含んで4台。SCSIディスクは最大7台まで追加できます。
          • Autoを選択した場合は、まず、IDEディスクが選択されます。IDEディスクの最大数4に達すると、SCSIディスクが選択されます。SCSIも最大数に達するとエラーとなり、仮想ディスクは作成されません。作成できる残りディスクの数は、下のように表示されます。
          PVMの場合:
          • Auto, IDE, SCSI, XVDから選択します。
          • PVMには、IDE, SCSI, XVD共にディスクの数の制限はありません。
          • Autoを選択した場合は、直前に作成されたディスクの種類が選択されます。
        • "QoS Enabled"
          QoS(帯域制限)を行うかどうかを選択します。
        • "Priority Class"
          QoSがEnabledの時に、仮想ディスクのI/Oのプライオリティを0~7までの値で設定します。0が最優先、7が最低です。("QoS Enabled"の時は必須)
    • "Boot Source/CDROM"
      仮想マシンがブートするデバイスを"HDD", "CDROM", "PXE"から選択します。
      なお、CDROMはHVMのときのみ選択でき、Resoucesで登録したISOイメージを指定します。

  5. "Policies"
    仮想マシンの実行順位、高可用性、動作ホストの設定を行います。

    • "Hight Availability"


      • "Number of Virtual CPUs"
        仮想マシンの持つ仮想CPUの数を指定します。
        CPUの数はパフォーマンスの観点から、OVM Serverに搭載されているCPUの総コア数以下にすることをお勧めします。
      • "Schedule Priority"
      • "Scheduling Cap"
      • "Enable Hight Availability"
        高可用性の機能を有効にします。サーバ・プールの高可用性機能が有効になっていることが必要です。
    • "Placement Policy"
      仮想マシンの動作させるホストへの割り当てポリシーを設定します。

      • "Auto"
        この仮想マシンの動作するホスト(OVM サーバ)の制御を、OVMが自動的に行います。"Auto"はデフォルトです。


      • "Manual"
        指定したホストの上でのみ、この仮想マシンが動作するように設定します。


  6. "Profiles"
    • "Login/Password"
      仮想マシンにアクセスするためのアカウントとパスワードの再設定を行います。


      • "Virtual Machine System Usernname"
        ゲストOSのシステム管理ユーザを指定します。Linux, UNIXでは、"root"。Windowsでは"Administrators"グループに所属するユーザを指定します。
      • "Virtual Machine System Password"
        ゲストOSのシステム管理ユーザ、もしくは、そのパスワードを変更する場合新しいパスワードを入力します。
      • "Confirm Virtual Machine System Password"
        ゲストOSのシステム管理ユーザの新しいパスワードを確認のため再度入力します。
      • "Console Password"
        仮想マシンのコンソールにアクセスする際のパスワードを設定します。
      • "Confirm Console Password"
        コンソールのパスワードを確認のために再入力します。
      • "Send me the password"
        パスワードを忘れた時など、emailでパスワードを送付してします。
    • "Operating System"
      仮想マシンのOSの種類や、キーボードの配列を変更します。


      • "Profile/Operating System"
        仮想マシンのOSの種類をリストの中から選択します。
      • "Keyboard Layout"
        仮想マシンで使用するキーボードをリストの中から選択します。

以上で、仮想マシンのプロパティの変更についての説明は終了です。
次回はサーバ・プールへのサーバの追加について説明します。

Linux ホスト名とIPアドレスの変更

[概要]
Linuxでの恒久的なホスト名とIPアドレスの変更方法を説明します。
[詳細]
Red Hat系(RHEL, CentOSなど)、Debian系(Debian, Ubuntuなど)それぞれについて、設定ファイル変更によるホスト名とIPアドレスの変更方法を説明します。
  • Red Hat系
    • ホスト名の変更
      設定ファイル"/etc/sysconfig/network"の中にある"HOSTNAME"の値を変更します。

      [root@linux01 ~]# vi /etc/sysconfig/network
      NETWORKING=yes
      NETWORKING_IPV6=no
      HOSTNAME=hostname # ここを変更

    • IP アドレスの変更
      ディレクトリ"/etc/sysconfig/network-scripts/"にある"ifcfg-インタフェース名"(ex. ifcfg-eth0)ファイルを編集します。
      [root@linux01 ~]# vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
      DEVICE=eth0
      ONBOOT=yes
      BOOTPROTO=none
      IPADDR=192.168.1.1
      NETMASK=255.255.255.0
      HWADDR=00:08:02:91:E6:6F

      • DEVICE
        デバイス名を指定します。この値はファイル名と一致させてください。
      • ONBOOT
        OSの起動時にインタフェースも起動するか否かを設定します。yes:自動起動する。no:自動起動しない。
      • BOOTPROTO
        ネットワークサービスを使用して、IPアドレスを取得する際のプロトコルを選択します。
        選択できる値:bootp, dhcp, none
        固定IPを使用する場合には"none"を指定します。
      • IPADDR
        NICのIPアドレスを指定します。BOOTPROTOに"none"をした時のみ有効。
      • NETMASK
        ネットマスクを指定します。BOOTPROTOに"none"をした時のみ有効。
      • HWADDR
        NICのMACアドレスを指定します。この値が指定されていない場合には、OSで見つかった順に、eth0からNICが割り当てられます。
      ファイルの編集後、ネットワークを再起動すると、新しいIPアドレスが有効になります。
      [root@linux01 ~]# service network restart インターフェース eth0 を終了中: [ OK ] ループバックインターフェースを終了中 [ OK ] ネットワークパラメーターを設定中: [ OK ] ループバックインターフェイスを呼び込み中 [ OK ] インターフェース eth0 を活性化中: [ OK ]

  • Debian系
    • ホスト名の変更
      "/etc/hostname"ファイルを変更します。
      user@ubuntu:~$ sudo vi /etc/hostname
      hostname # ここを変更

    • IP アドレスの変更
      "/etc/network/interfaces"ファイルを編集します。

      user@ubuntu:~$ sudo vi /etc/network/interfaces
      # This file describes the network interfaces available on your system
      # and how to activate them. For more information, see interfaces(5).

      # The loopback network interface
      auto lo
      iface lo inet loopback

      # The primary network interface
      auto eth0
      iface eth0 inet static
      address 192.168.1.2
      netmask 255.255.255.0
      gateway 192.168.1.254

      auto eth2
      iface eth2 inet dhcp

      • auto インタフェース名
        NICのインタフェース名を指定します。
      • iface インタフェース名 inet プロトコル
        インタフェース名:上記で指定したインタフェース名と同じものを指定します。
        プロトコル:IPアドレスを取得する際方法を指定します。static(固定IP),dhcp, bootpなどを指定します。
      • address
        IPアドレスを指定します。プロトコルをIPアドレスにした場合のみ
      • netmask
        ネットマスクを指定します。プロトコルをIPアドレスにした場合のみ
      • gateway 192.168.1.254
        デフォルト・ゲートウェイを指定します。プロトコルをIPアドレスにした場合の
      ファイルの編集後、ネットワークを再起動すると、新しいIPアドレスが有効になります。
      "/etc/network/interfaces" 19L, 438C 書込み user@ubuntu:~$ sudo /etc/init.d/networking restart * Reconfiguring network interfaces... * Disconnecting iSCSI targets ...done. * Stopping iSCSI initiator service ...done. * Starting iSCSI initiator service iscsid ...done. * Setting up iSCSI targets ...done. * Setting up iSCSI targets ...done. [ OK ]

以上で、ホスト名、IPアドレスの恒久的な変更方法についての説明は、おしまいです。

金曜日, 11月 20, 2009

Oracle VM 入門 (第9回、仮想マシンの作成、その2)

[概要]
OVM Managerからテンプレートを使用した仮想マシンの作成について説明しています。
OVM 2.xについて説明しています。OVM 3.xについては、こちらをご覧ください。

[詳細]
前回はISOイメージを使用する方法について説明しました。今回は、テンプレートを使用する方法について説明します。
テンプレートを使用するメリットは、テンプレートがOSの設定、アプリケーションのインストール、ユーザの作成など環境設定が済んだ状態で提供されているので、非常に短い時間で仮想マシンのセットアップを済ませることが出来ます。
以前の説明で登録したテンプレートを使用して、仮想マシンの作成を説明していきます。
  1. 作成方法の選択
    まず、OVM Managerの"Virtual Masines"のタブを選択し、その画面で"Create Virtual Machine"を押すと、作成方法の選択画面に移ります。
    作成方法の選択画面では、"Create virtual machine ..."を選択し、"Next"を押します。


  2. サーバ・プールとテンプレートの選択
    次の画面では、仮想マシンを作成するサーバ・プールを選択します。また、次の画面では、使用するテンプレートを選択します。



  3. 情報の登録
    仮想マシンに必要な情報の入力を行います。


    • Virtual Machine Name
      仮想マシン名を入力します。(必須)
    • Console Password
      仮想マシンのコンソールにアクセスする際のパスワードを設定します。(必須)
    • Confirm Console Password
      コンソールのパスワードを確認のために再入力します。(必須)
    • High Availability
      高可用性の機能を有効にします。サーバ・プールの高可用性機能が有効になっていることが必要です。
    • Network Interface Card
      ネットワーク・カードの追加/削除と、ブリッジする物理ネットワーク・カードの選択を行います。"VIF0"は仮想マシンの"eth0"に、"VIF1"は仮想マシンの"eth1"に、といったように対応していきます。
  4. 仮想マシンの作成
    入力情報の確認を行った後"Confirm"を押して、仮想マシンの作成を行います。
    "Creating"のステータスの後、正常に仮想マシンが作成されると"Powered Off"になります。

  5. 仮想マシンの起動
    "Power On"を押し仮想マシンを起動します。

  6. コンソールの起動
    "Console"を押して、コンソールを起動します。
    "Password"には情報登録時に設定した"Console Password"を入力し、パスワードが正しければコンソール画面が表示されます。この後はコンソール画面を使って、通常のPCと同じように操作することが出来ます。


今回でOVMの入門編はおしまいです。次回からは基礎編になります。

火曜日, 11月 17, 2009

Oracle VM 入門 (第8回、仮想マシンの作成、その1)

[概要]
OVM ManagerからISOを使用した仮想マシンの作成について説明しています。OVM 2.xについて説明しています。OVM 3.xについては、こちらをご覧ください。

[詳細]
OVM Managerからの仮想マシンの作成方法には、テンプレートを使用する方法、ISOイメージからインストールする方法、ネットワーク(PXE)ブートを使用した方法の3通りあります。
今回はISOイメージを使用する方法について説明します。

  1. 作成方法の選択
    まず、OVM Managerの"Virtual Masines"のタブを選択し、その画面で"Create Virtual Machine"を押すと、作成方法の選択画面に移ります。
    作成方法の選択画面では、"Create from installation media"を選択し、"Next"を押します。



  2. サーバ・プールとISOイメージの選択
    次の画面では、仮想マシンを作成するサーバ・プールを選択します。また、次の画面では、使用するISOイメージを選択します。



  3. 情報の登録
    仮想マシンに必要な情報の入力を行います。


    • Virtual Machine Name
      仮想マシン名を入力します。(必須)
    • Operating System
      作成する仮想マシンのOSを選択します。
    • Nimber of Virtula CPUs
      仮想マシンのCPUの数を指定します。(必須)
      CPUの数はパフォーマンスの観点から、OVM Serverに搭載されているCPUの総コア数以下にすることをお勧めします。
    • Keyboard Layout
      仮想マシンのキーボードの配列を指定します。(必須)
    • Memory Size
      仮想マシンのメモリ容量を指定します。(必須)
    • Virtual Disk Size
      仮想マシンに作成する1番目のディスクのサイズを指定します。(必須)
    • Console Password
      仮想マシンのコンソールにアクセスする際のパスワードを設定します。(必須)
    • Confirm Console Password
      コンソールのパスワードを確認のために再入力します。(必須)
    • High Availability
      高可用性の機能を有効にします。サーバ・プールの高可用性機能が有効になっていることが必要です。
    • Network Interface Card
      ネットワーク・カードの追加/削除と、ブリッジする物理ネットワーク・カードの選択を行います。"VIF0"は仮想マシンの"eth0"に、"VIF1"は仮想マシンの"eth1"に、といったように対応していきます。
  4. 仮想マシンの作成
    入力情報の確認を行った後"Confirm"を押して、仮想マシンの作成を行います。
    "Creating"のステータスの後、正常に仮想マシンが作成されると"Running"になります。


  5. コンソールの起動
    "Console"を押して、コンソールを起動します。
    "Password"には情報登録時に設定した"Console Password"を入力し、パスワードが正しければコンソール画面が表示されます。この後はコンソール画面を使って、通常のPCと同じようにOSのインストールを進めてください。


次回は、テンプレートイメージからのインストールについて説明します。

土曜日, 11月 14, 2009

Oracle VM 入門 (第7回、テンプレートの管理)

[概要]
OVMでの仮想マシン・テンプレートの管理について説明しています。
OVM 2.xについて説明しています。OVM 3.xについては、こちらをご覧ください。

[詳細]
前回はISOイメージの管理について説明しました。今回は仮想マシンを作成するための雛形であるテンプレートの管理について説明します。
登録方法には、sshなどでUtility Serverにコピーしたイメージをコピーする方法、外部ソース(Webサーバやftpサーバ)からイメージをダウンロードする方法、P2Vユーティリティを使ったBear Metalマシンからの作成があります。
今回はOracle社から提供されるテンプレートを使って説明を行い、P2Vユーティリティとテンプレートの作成については回を改めて説明します。
まずは、テンプレートの入手方法から説明します。
  1. テンプレートの入手
    OVMを入手した時に利用したoracle社のWEBサイト (http://linux.oracle.com/)にアクセスし、Oracle VM : DownloadからE-Deliveryのページに移り、ログインしてください。



    "Select a Product Pack"で、"Oracle VM Templates"を選択し、必要なテンプレートをダウンロードしてください。



  2. サーバ・プールに存在するテンプレートの登録("Select from Server Pool")
    sshやnfsを経由してコピーしたテンプレートの登録を行います。
    これから、x86_64版Oracle Enterprise Linux 5 Update 3の半仮想化の仮想マシンのテンプレート"Oracle Enterprise Linux 5 Update 3 template - PV Small x86_64 (64 bit)"を、例に登録の説明を行います。

    1. Utility Serverへのコピー
      まず、ダウンロードしたテンプレートのファイルをにコピーし、ファイルを展開します。OVM Serverの標準では、sshとnfsがリモートのファイルを転送する手段として用意されています。ここでは、WindowsのPCからscpを用いてファイルを転送しています。
      なお、テンプレートは、Utility Serverの"/OVS/seed_pool/"の下に置くことが決められていますので、そこにテンプレートファイルをコピーします。

      E:\os_img\Windows2008>scp V16223-01.zip root@vm-host03:/OVS/seed_pool/
      root@vm-host03's password:
      V16223-01.zip 100% 2754MB 10.9MB/s 04:12

      E:\os_img\Windows2008>

    2. テンプレートファイルの展開
      コピーしたテンプレートファイルをUtility Serverで展開します。

      [root@vm-host03 ~]# cd /OVS/seed_pool/
      [root@vm-host03 ~]# unzip V16223-01.zip
      [root@vm-host03 ~]# tar xvz OVM_EL5U3_X86_64_PVM_4GB.tar.gz

      ディレクトリ名がテンプレート名となるので、変更したい場合にはディレクトリの名前を変更します。
      [root@vm-host03 ~]# [root@vm-host03 ~]# mv OVM_EL5U3_X86_64_PVM_4GB OEL5U3_PVM_64

    3. OVM Managerへの登録
      "Resource"タブ→"Templates"へ移動し"Import"を押します。


    4. コピー・ソースの選択
      "Select from Server Pool (Discover and register)"を選択し、"Next"で次に進みます。


    5. 情報の登録
      イメージの登録に必要な情報を選択または入力します。



      • Server Pool Name
        テンプレートをコピーしたUtility Serverの所属するサーバ・プールを選択します。(必須)
      • Virtual Machne Template Name
        登録するテンプレートつまり、作成されたディレクトリを選択します。(必須)
        今回の例では、"OEL5U3_PVM_64"というディレクトリを作成したので、"OEL5U3_PVM_64"を選択してください。
      • Operating System
        テンプレートのOSのタイプを選択します。(必須)
        今回の例では、"Oracle Enterprise Linux 5 64bit"になります。
      • Virtual Machine System Username
        サーバ・プール設定の際に設定したUtility Serverのユーザ名を入力します。(必須)
      • Virtual Machine System Password
        上記のユーザ名に対応したパスワードを入力します。(必須)
      • Description
        テンプレートのファイルの説明を記述します。(任意)
      すべて終了したら、"Next"で確認画面に進みます。
    6. 入力項目の確認
      入力確認項目の確認が終わったら"Confirm"を押し、登録を完了させます。


    7. テンプレートの承認
      イメージの登録が正常に終わると、"Pending"の状態になります。
      "Approve"を押してイメージの承認を行い、使用可能なステータス"Active"に変更する必要があります。

    以上でテンプレートの登録は完了です。
  3. 外部ソースからの登録("Download from External Source")
    テンプレートをHTTP,FTPを使用して、Utility Serverに登録します。

    1. ftp,webサーバへのテンプレートの登録
      ダウのロードしたテンプレートを、ftpや,webサーバに登録します。まず、V16223-01.zip を展開します。さらに、展開して出来たtar.gzファイルについても展開してください。

      [root@linux ~]# unzip V16223-01.zip
      [root@linux ~]# tar xvz OVM_EL5U3_X86_64_PVM_4GB.tar.gz

      展開したディレクトリは、ディレクトリ・ブラウズ出来るようにサーバの設定を行ってください。
    2. OVM Managerへの登録
      "Resource"タブを押すと"Virtual Machine Templates"に移動しますので、"Import"をおします。


    3. コピー・ソースの選択
      "Download from External Source (HTTP and FTP)"を選択し、"Next"で次に進みます。


    4. 情報の登録
      イメージの登録に必要な情報を選択または入力します。


      • Server Pool Name
        イメージをコピーするサーバ・プールを選択します。(必須)
      • Virtual Machne Template Name
        登録するテンプレート名を入力します。(必須)
      • Operating System
        テンプレートのOSのタイプを選択します。(必須)
        今回の例では、"Oracle Enterprise Linux 5 64bit"になります。
      • Virtual Machine System Username
        サーバ・プール設定の際に設定したUtility Serverのユーザ名を入力します。(必須)
      • Virtual Machine System Password
        上記のユーザ名に対応したパスワードを入力します。(必須)
      • Description
        テンプレートのファイルの説明を記述します。(任意)
      すべて終了したら、"Next"で、URLの入力画面に進みます。
    5. URLの入力

      テンプレートのURLを入力します。Proxyサーバを経由してのアクセスが必要な場合には、"Use Proxy"をチェックしProxyサーバのURLを入力します。


    6. 入力項目の確認
      入力確認項目の確認が終わったら"Confirm"を押し、登録を完了させます。



    7. テンプレートの承認
      イメージの登録が正常に終わると、"Pending"の状態になります。
      "Approve"を押してイメージの承認を行い、使用可能なステータス"Active"に変更する必要があります。

  4. ステータスと説明の変更
    テンプレートを選択し"Edit"を押すことで、ステータスと説明の変更が出来ます。ステータスは、"Active"と"Inactive"があり、"Inactive"にするとテンプレートをOVM Managerから一時的に利用できなくできます。テンプレートのメンテナンスを行うときなどに使用してください。
    同じページで、Descriptionに記載した説明を編集することも出来ます。
  5. ステータスの削除
    テンプレートの削除を行うときには、削除するテンプレートを選択して"Delete"を押します。すると、確認画面が表示され、そこでも"Delete"を押すと、テンプレートが削除されます。

以上でテンプレートの管理についての説明は終わりです。次回はよいよ仮想マシンの作成について説明します。